錯覚

2004年3月18日
わたしのまわりにあるものは
いつでもかわらずにわたしのまわりにあるのだと
そう錯覚していた

わたしの手の中にあるものは
いつまでもかわらずにわたしの手の中にあると
そう錯覚していた

わたしのとなりにいてくれているあなたは
永遠にかわらずにわたしのとなりにいてくれるはずだと
そう錯覚していた

いつしかあなたの心は離れていっていたのに
そのことにこれっぽっちも気づくことなく
あなたがわたしに送っていた信号を受け止めることもなく
わたしだけが何も変わらずに時間を過ごしていた

離れていこうとしているあなたにふと気づき
また一人ぼっちになってしまうことにおそれた
またあの何もない空虚だけがあふれかえる日々に戻るのか
そう思うとわたしはひとりで身震いをする

離れていかないで

言葉にはならない感情を心の中にひた隠しにして
あなたを見つめる目をなくして
あなたを抱きしめる腕をなくして
あなたを思いやる心をなくして

そしてわたしはひとりぼっちになった

----------

目の前にある現実
目の前に広がるあなたのいない世界
目の前にあなたがいてくれることを願うわたし

心の中にある過去
心の中にいる「過去のあなた」
心の中でほほえむあなた

心の中にあるものはすべて過去のもので
いま目の前にないことを寂しく思う

でも
たださびしいだけなのかもしれない
当たり前のように手の中にあったものを
突然失ってしまったときのあの喪失感と焦燥感
それに似ている

涙はでない
悲しいとも思わない
ただ

ああ この人も去っていくのか
ああ この人もいってしまうのか

そう思って立ちすくむわたしがいる

苦しいと
会いたいと
抱きしめて欲しいと
そうあなたに伝えられたらどんないいいだろう

でももう伝えるすべはない
あなたの心にはとどかない
どんなに叫んでもわめいても
あなたの心にわたしの声が届くことはないでしょう
 
 

コメント

玲

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

この日記について

日記内を検索